「生まれてきてよかった」と

ある方のお話です。

長い話を要約しました。

 

「娘が子供なんか大嫌いだ、結婚なんかしないと言い出しました。

こんなこと言うからには、何かあったんだろうと思いましたが、それを聞き出す勇気もなく、経過を見守ってきました。

 

何年経っても、娘の言い分は変わりませんでした。

子供の頃、生まれたばかりの親戚の赤ん坊を腕に渡されて困ってしまったらしいです。

「あんなフニャフニャで頼りないのが私から出てくるなんて、なんとおぞましい！」と言い放ちました。

 

子供を生まないなんて末代までの恥だと言ったら、子供を生まないのだから私が末代だ、だからいいんだと胸を張っていました。

 

思えば、私は結婚してから長い間の不妊治療の末に、娘を授かりました。

子供を欲しいと思ったから不妊治療に長く通ったのです。

夫と二人だけの生活が嫌だった訳ではないですが、娘が生まれてきてくれて、たくさんの経験をしました。

いいことばかりではなかったし、体調を崩したりしましたけど、夫婦二人では経験できなかったことをたくさん経験できたと思ってます。

 

そんなことを思い出して、何気なく「生まれてきてくれて、ありがとう」と娘に言いました。

娘はキョトンとしていましたが、それから思いつくたびに、この言葉を伝えました。

 

ある時、娘が「生まれてきて良かったと思えるようにするよ」と言ったのです。

何がどうなるか全然わかりませんし、今のところ取り立てて何も変わった様子はありませんが、能動的な積極的な言葉に感動したのは事実です。

娘がどんな風になっていくのか、興味深く楽しみに見ていこうと思います。」

 

長い話を要約しましたから、理解しにくい部分もあるかと思います。

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