犬が大好きなのだろう
2020/11/13
「少年と犬」を読んで
直木賞受賞作の「少年と犬」読んでみました。
全体がオムニバス形式になっていて、「男と犬」「泥棒と犬」など6つの短編から成り立っていますが、出てくる犬は共通していて「多門」という名前の雑種です。
多門が東北大震災にあって飼い主が亡くなり、以前可愛がってくれた少年のいる方向を感じ取り、やっと熊本で会えて新しい生活が始まったと思ったら、今度は熊本地震で亡くなってしまうという話です。
それぞれの短い小説に多門を保護して、飼い主となってくれた人との生活が描かれています。
全編を読み終わって思ったことは、「犬ってなんて賢いんだろう」。
犬ってもしかしたら、とても方向感覚に優れているのかも。
自分を必要としている人を嗅ぎ分けるのかもしれない。
この本の作者は、犬の高い能力をよく知っているのだろう、犬が大好きなのかも。