青山玄蕃ロスかも
2020/05/23
真の武士は死んではならない
「流人道中記」を読み終えて、なんだかポカンとしています。青山玄蕃ロスかしら。
青山玄蕃はなぜ切腹しなかったか。なぜ生き恥をさらすことを選んだか。そんなことを考えていました。
青山玄蕃は自分を嵌めた相手をよく知っていました。若いころの遊び仲間で、今は自分の上司に当たる人です。あの人ならやりかねん、と思ったと言う。
そんな他人を貶めるような堕落した武士道にさせてしまった責任の一端が自分にもあると。
それを裁く奉行たちを含め、太平の世の武士道に青山玄蕃は絶望したのかも。
太平の世だからこそ、往時の戦で死なねばならなかった武士たちを思いやって生きねばならぬ。
真の武士道を極めようと鍛錬を重ねて死んでいった武士を思えば、悲しくても辛くても恥ずかしくても生きねばならぬ。死んではならぬ。
青山玄蕃はそう言いたかったのではないでしょうか。