号泣⁉その訳

マンガを読んで号泣したことってありますか？

私はあるんですよ。

10年位前に「バガボンド」を読んだときです。

吉川英治の「宮本武蔵」という小説をマンガ化したものだそうです。

 

宮本武蔵が村の一本杉に吊るされ三日三晩経ってやっと降ろされたときに、沢庵和尚が諄々と言い聞かせる場面があるのですが、私はこの場面で大泣きしたんです。

涙が溢れ、ワアワアと声を出し、泣き崩れました。

訳もわからず、ただ涙が出ました。

泣きながら、私は戸惑っていたんです。

涙の意味が分からない！

なぜ泣いているのか、何が悲しいのかわからない！

しばらく泣いて次のページに移ると涙は止まります。

なぜ涙が出るのか知りたくて、先ほどの場面に戻るとまた涙が出てくる。

こんなことを３～4回繰り返したでしょうか。

何度見ても涙の訳が分からないし、ストーリーを追っているうちにいつしか忘れてしまっていましたが、先日自分の子供時代の思い出を書いた時にふと思い出しました。

 

やっと涙の意味が分かったんです。

私は宮本武蔵が羨ましかった。

私もこんな風に親身になって心配してくれる人が欲しかったんだなとわかりました。

 

年を取ってようやく理解する、つじつまが合うってこと、あるんですね。